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2015-02-10

大和の野菜とは…

先日、こんなトークイベントに参加してきました。

奈良県立図書情報館「大和の野菜いろはカルター榎森彰子展」開催記念プレイベント
榎森彰子・三浦雅之 トークセッション

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これは、奈良の農家で自家消費用に作られ続けてきた「大和野菜」に魅せられた画家の榎森さんが書き続けた野菜たちを題材にいろはカルタを出版し、その原画展を情報図書館で行うということで、その記念イベントとして作者の榎森さんと、大和野菜料理で有名な「レストラン粟」のオーナー三浦さんによるお話を聞こうと言うもの。

そもそも大和野菜って、最近でこそ道の駅ほか奈良県下のスーパーなどでもちらほら見かけるけど、他の野菜とどう違うのか、どんな野菜があるのか、ほとんど何も知らないらんぷ店主、何にも判らないそのまんま、会場に向かいましたが。

いや、とっても面白かったし勉強になりました。

大和の伝統野菜には一応定義があって、県内で戦前から作られてきた独特の野菜で、県が認定したものが20品目ほど、それ以外にも各地域でひっそりと作り続けられてきたものがあるそう。

なんでひっそりかというと、隠していたわけじゃなくて、
サイズが小さくて収穫に手間がかかったり、流通向きじゃなかったり、「売って儲ける」には向かない、
けど、家族が好きで美味しいと言ってくれるし育てやすいから自分ちのぶんだけ作り続けてきた、と作り手のおっちゃんおばちゃんたちは語るんだそうな。

作者の榎森さんお気に入りの「うーはん」という、サトイモの一種。
タジン鍋みたいな親芋の周りをポコポコ小芋が取り巻いて、未確認飛行物体みたいな形。
「烏播」と書くのだそうで、チャイニーズっぽいなと思ったら案の定、80年ぐらい前に台湾から伝わったとか。
それを「大和の伝統野菜」にカウントするなんて、如何にも、いにしえの時代から渡来のものを上手に採り入れてきたこの地らしい。
他にも、仏掌芋やら味間いもやら、山芋サトイモ系がなんだか多い。

漢方薬膳的には、いずれも補気の野菜。山芋は脾杯腎を穏やかに補って養生にぴったりだし、
サトイモも健脾作用や、最近では消腫作用の働きも期待されてる。
中華圏や東南アジアの国々では、料理だけじゃなくスイーツにも使うのは、この「らんぷ通信」でもお話してるかと思うし、
ほら、アレですよアレ、「サトイモと小豆のココナッツミルク」。
これを、もっちりネバネバの「うーはん」で作ったりしたらどんなんかな。

夏野菜はとみると、大和スイカや黄金まくわ、大丸とうがん…、見事に、利水のウリ系が充実。
奈良と言えば他県の方には冬の寒さのイメージが強いようだけど、盆地ゆえ、夏の蒸し暑さも実は相当なもの。
そんななか、体の中の湿邪を追い払ってくれるまくわうりやスイカは、命をつなぐ実りだったかもしれない。

県内各地をリサーチされた三浦さんによると、手間がかかってお金にならないこれらの野菜を農家の方々が作り続けてきた理由は、伝統を残そうという義務感や使命感からではなく、家族が好きだから、食べるのを楽しみにしているから、と言うものだったとか。
だから三浦さんは、大和の伝統野菜を「家族野菜」と素敵な呼び方をされる。

らんぷ店主が勝手に推測するに、これら大和の野菜は、美味しくて、そして食べ続けていると何となく体調がいい、季節の変化にも対応できる、と言うことも無意識に感じていたのではないかな。

勿論、伝統野菜は奈良に限らず、全国各地にある。
他府県に流通することもなく、広く知られることもなく、その地に住む人によって育てられ食べられてきた野菜、きっとそれぞれにある筈。

漢方の資料を調べているときに、とある書物で「地産地消と言う言葉は、その地で採れる食べ物はその地に住む人が無理なく消化できるもの」と言う意味合いの表現に出会ったことがあるのを、ふと思い出した、そんな奥深いトークセッションでした。

いやあ、寒い寒いって引きこもってないで、たまには外に勉強にでなくっちゃねー。







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プロフィール

らんぷ店主

Author:らんぷ店主
アジアのお母さんの味に東洋医学のエスプリを混ぜた、アジア薬膳料理屋を奈良きたまちの古民家で展開。
「あじあの薬膳おばんざい 藍布(らんぷ)」
火曜・水曜定休
奈良市法蓮町1232
℡ 0742-27-1027

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