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2012-06-06

バクテーと言うより…

殆んど、キッチンの在庫整理のような煮込みですが。

bakute.jpg

バクテー(肉骨茶)の名の通り、肉の骨にフォーカス当てて撮ってみました。
その昔、シンガポールの港湾労働者の朝ご飯として親しまれていたそうです。
なので、今でもシンガポールのフードセンター(ガイドブックなどには「ホーカース」などと書かれている、集合屋台街)で、朝メニュウにちゃんと登場します。
具を食べると言うより黒ずんだスープが主役です。

具も楽しめるようにナンコツ使ってもいいですし、肉のそれなりにしっかりついたスペアリブを使うのもいいです(だいいち日本の肉屋さんで肉のあんまりついていない豚の骨って手軽に手に入らないですし…)。

厚手の鍋に適当な大きさの肉、みじん切りのニンニクとショウガを入れ、たっぷりの水を注いで火にかけます。
生薬があればここで一緒に加えます。
地元では「バクテー用スパイスミックス」としてスーパーでも手軽に買えるのですが、これがジオウやセンキュウやトウキなどのまさに補血の漢方薬なのです。
でも、なくても充分おいしく滋養のあるスープが作れますのでご心配なく。
前にお話した八角や五香粉があれば大丈夫です。
入れるタイミングはまた後で。

火にかけて沸いてきたら弱火にしてコトコト煮込みます(アクが強いようなら適宜取り除いて下さい)。
10~15分ぐらい弱火で煮込んだ後、蓋をしたまま火を消してしばらく置きます。
薄手の鍋だと熱が逃げちゃうんで、煮込み用のしっかりしたものが望ましいのですが、あいにく無いとか、また冬場の寒いときに作るなら、火から下ろしてタオルで包んでください。
保温力抜群です。
省エネと言うだけでなく鍋の中身が直火にかけられるのでなく蒸された状態に近くなえるので、その意味でもおススメの方法です。

できればそのまま一晩置いて、翌日また火にかけます。
この時点で普通のスペアリブならだいぶ柔らかく、骨離れが良くなっていると思います。
ここで、八角ひとかけか、或いは五香粉を少し入れ、あればナツメやクコの実も加えて少し煮込みます。
それから醤油と塩で調味。
もしも、老抽(中国のたまり醤油のような色の濃いわりに味の薄い醤油。中華街で買えます)があれば是非それ使ってください。
ナツメが入ると甘みと言うか味に丸みが出ます。
ナツメが無ければ隠し味程度に砂糖を加えてもいいです。
調味料の加減は、こってり煮込み系ではなく、あっさり汁物のイメージで。

地元の屋台で食べる(飲む)バクテーには野菜など殆んど入っていませんが、白菜とかもやしとか薄揚げなんか入れても美味しいです(…なんか、お味噌汁の具みたいですね。でも、向こうで買ったクックブックにも書いてました)。
因みに写真の緑色は、ニラの小口切りです。
まさに、味噌汁の薬味に入れたのが余ってたので。
あと写真には写っていませんが、使いかけのにんじんやもやしも刻んで入れてます(笑、ほんま冷蔵庫整理料理)。

まずは、肉と骨から旨みの出たスープを楽しんでください。
何回か煮返してると軟骨の部分も透き通って煮汁の色が染みてきます。
そうしたら口の中でもホロリと崩れてコリコリ感が楽しめます。

と言うわけでこのスープはどんとたっぷり作ることをおススメします。
あっさり味なので意外に飽きません。
ゴハンには勿論合いますし、バゲットにも意外とマッチします。
向こうでは屋台でこれ頼むと「油条(味無しのふわふわ軽い揚げパン)は?」と訊かれます。
それも頂戴、と言うと3,4cm大にカットした油条を載せた皿を一緒に持って来るので、ちぎってスープに浸して食べます。

バクテー用スパイスは日本で言うなら貧血の女性向けの漢方薬みたいなイメージです。
でもきっと、暑い暑い南洋の港で荷おろしなどをする肉体労働者には体力消耗を補うための庶民的ながら滋養たっぷりのスープだったのでしょう(消化もいいしね)。

らんぷ店主はこの骨と汁だけのバクテーを思い出すと、なんとなく大阪の船場汁を連想します。
あれも昔の船場の商家のまかない食と言うか、魚のアラを使った一見つましいながら実は栄養たっぷりな汁物だったようで、丁稚奉公の若者たちの活力源だったのではないかなあ、と。

薬局でしか手に入らないような生薬抜きの「おうちバクテー」でも、八角または五香粉には胃腸を健やかにする働き、ナツメやクコは血を補う働きがちゃんとあります。
そして主役(と言うか、ダシの素ですが)の骨付き豚肉は補血補陰の食材です。











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プロフィール

らんぷ店主

Author:らんぷ店主
アジアのお母さんの味に東洋医学のエスプリを混ぜた、アジア薬膳料理屋を奈良きたまちの古民家で展開。
「あじあの薬膳おばんざい 藍布(らんぷ)」
火曜・水曜定休
奈良市法蓮町1232
℡ 0742-27-1027

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