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2012-01-26

生春巻で気を巡らす~「ゆったりお食事会」メニュウより

生春巻は谷町の藍布のオープン当時からのメニュウでもあり、このブログでも何度かお話しているのでネタがかぶるかもしれませんが、その辺は読み流してください(笑)。

生春巻という日本語訳は実に上手いネーミングだといつも思うのですが、ヴェトナム語の「ゴイ・クォン」には「生」とか「春巻」とかの意味はありません。
因みに揚げ春巻きのことは「チャ・ゾー」と言います。
揚げる方も米で作られた皮、ライスペーパーを使いますが、巻く中味は全く違います。
春雨や豚肉や色んな野菜を細かく切ったものを入れて親指大のサイズに巻いて揚げます。

さて本題の生春巻、ヴェトナムではオーソドックスなレシピだと、
茹で海老、茹で豚肉、茹でビーフン、サニーレタス、ニラ、なますなどが定番。
ビーフンも米で出来た麺なので、米で米をまくところが面白いですね。
これをニョクマムとライム汁をベースにしたさっぱり味のタレか、ミソ味のコクのあるタレにつけて食べるのが現地風。

藍布のは、こんな感じです。

茹で細切り豚少々、サニーレタス、青じそ、ニラ、ヴェトナム風なます。
野菜9割強、肉1割弱、と言うイメージ。
この豚肉を、霜降りにした鶏ササミの削ぎ切りにするバリエーションもあります。
これを湿らせたライスペーパーできつめに巻いて、らんぷ店主がゴールデンコンビと呼んでいる「ナンプラーとスイートチリソースを同量合わせたソース」につけ、好みでライムを搾ってがぶりと行きます。

ヴェトナム風のなますは大根とにんじんの千切り(スライサーを使うと便利な上、適度に繊維を断ち切るので味の絡みが良くなる。らんぷ店主はチーズスライサーを使っています)を塩もみして軽く水気を絞り、ナンプラーとレモン汁、砂糖、おろしにんにくで軽く味付けします。

肉は少量ですがやはり入れたほうが味にコクが出るので、重要な脇役と言う感じ。
メインは野菜、それも紫蘇やニラなどの香味野菜です。
好みでバジルやミントの葉を入れてみても結構です。

香りのある野菜やライムなどの柑橘類は、「気」を巡らせる働きがあります。
少量ながらなますやスイートチリソースに含まれるにんにくや唐辛子は、体を温め血行を良くします。
ライスペーパーの原料である米は気を補います。

見た目も、ライスペーパーの透き通った白に青紫蘇やサニーレタスなどの緑、ソースの赤い色など華やかです。
漢方では栄養バランスを考えるときに「たんぱく質」「ビタミン」などでなく、「五味五色」で考えます。
五味は酸っぱい・苦い・甘い・辛い・塩辛い味。
五色は青(緑)・赤・黄・白・黒。
これらが揃っているのが「バランスの良い献立の目安」と言うことです。

谷町の藍布に、よくお一人で仕事帰りに寄ってくださる女性のお客様がいらっしゃいました。
いつも生春巻をお代わりしながら、職場の人間関係でのお悩みを、その場では笑いに変えてお話されていました。
その、人を惹きつける明るい雰囲気や、大阪人の中でもなかなかレヴェルの高い「笑いをとる」技術に、らんぷ店主や店のバイトスタッフ嬢は随分と楽しませていただいたのですが、ご本人はよく帰り際に「すいませんねえ、らんぷさんとこで私いっつも愚痴たれてばっかりで。」と言っておられました。

あの頃のらんぷ店主はこの料理を「まず美味しいこと、エスニックな雰囲気が楽しめること、野菜たっぷり・油も使わず低カロリー」と言うぐらいの観点でしか作っていなかったように思います。
今、ふと、もしかしたら2皿の生春巻が、職場でのストレスでよどんだ気を巡らせるのに少しは役立っていたのかなあと思ったりもしています。










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プロフィール

らんぷ店主

Author:らんぷ店主
アジアのお母さんの味に東洋医学のエスプリを混ぜた、アジア薬膳料理屋を奈良きたまちの古民家で展開。
「あじあの薬膳おばんざい 藍布(らんぷ)」
火曜・水曜定休
奈良市法蓮町1232
℡ 0742-27-1027

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