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2011-12-08

鮭のおかしらコチュジャン煮

sakemorichim.jpg

唐突で恐縮ですが、モンゴル人て一般に魚が苦手、だそうです。
そりゃ大平原の遊牧民族なんだから魚なんてめったに食べないよね、というレヴェルでなく、「魚の姿、特に目が怖い」のだそうです。
谷町の藍布の壁に流れるような美しいモンゴル文字で草原の民の唄の歌詞を書いてくれた内モンゴルからの留学生青年は、来日当初、京都の昔ながらの商店街の中を通るとき、店頭に尾頭付きの魚が並ぶ魚屋さんの前では眼をつぶって顔を背けて足早に通り過ぎていたのだそうです。
「魚と目が合うのが、怖くて。」と。

ま、日本人もヨーロッパや或いは中国なんかで豚の頭が鎮座している肉屋さんの前ではちょっとびっくりしたりするものでしょうから、お互いひとのことは言えません。

でもたぶん、韓国・朝鮮半島のひとならどっちも平気。
どころか、普通に「美味しそう」と感じるのでしょうね。
ヨーロッパ人並みに肉食で、日本人に劣らず魚の食べ方・料理の仕方が上手いのが彼らだと思います。

写真は、ノルウェー・サーモンのアタマ。
サーモンステーキ用の切り身は結構なお値段ですが、アタマの方はお買い得商品。
ヴィタミンが豊富なお肌(←皮ね)、眼の周りや頬の肉もホロリ、プルルンとして美味しいだけでなく、コラーゲンや質のいい魚油が豊富に含まれています。
軟骨部分も豚や鶏肉より短時間の煮込みですむし、ますますもってお買い得。

サケという魚自体がしっかりした味のする魚ですが、こういうアラの部分は更にコクがあるので、味付けもそれなりに主張のあるものにしないと味がボケます。
味噌を使う石狩鍋なんかもうまく考えられてますよね。

で、今回は味噌と韓国のコチュジャンをベースにし、ショウガと葱をこっくりした味付けのアクセントに加えて韓国の「モリチム(魚の頭の煮込み)」風にしてみました。
少し味に丸みをつけようと思いついて塩麹をひとさじ加えてみたら、これがかなりオツな仕上がりに。

作り方は…、アウトドアでも出来そうなぐらい、よく言えばワイルド、はっきり言ってアバウト。

魚の頭がすっぽり入る鍋に千切りショウガとぶつ切りの青葱を敷き、魚を乗せ、その上にコチュジャンと味噌(韓国のテンジャンという味噌があれば勿論よいけど、いつも使っている普通の味噌でOK)をテキトウに乗せ、水を少々(底に敷いたショウガと葱が漬かるぐらい)と酒をちょっと振って、フタしていきなり煮込みます。
沸騰してきたら火を弱め、底が焦げないように時々鍋をぐるっと動かして煮汁を魚にかけます。魚にある程度火が通ってきたら上に乗せた味噌などを煮汁に溶かし、塩麹もこのとき加えます。
弱火で少し煮て、出来上がり。

コチュジャン→辛味、味噌→塩味、塩麹→甘味
が味の主な担当です。
が、どれも発酵食品ゆえのコクと深みがあります。

油を使わない煮込みですが、ある意味コッテコテな料理かも。
写真では真っ赤な煮汁が皿の窪みに隠れちゃってますが、この残った汁にご飯と溶き卵入れてクッパ(雑炊)にしたら、これまたマシッソヨ~♪


漢方的なお話をすると、「以類補類」といって、体調の悪いところは動物の同じ部位で補う、と言う考え方があります。
ある種の頭痛やめまいには、魚の頭の煮込みが薬膳として宜しい、ということです。
西洋の医学や栄養学の見地から書いたものに、魚の油は脳の神経細胞の膜を柔軟にし、その性能を高める(魚を食べるとアタマが良くなる、という説はこの辺からきているのかも)とか、魚油に含まれるオメガ3は、天然の抗うつ剤、というような表記があったりするのですが、東洋と西洋、アプローチの仕方は違えど似たことを言っているのかなと思います。






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プロフィール

らんぷ店主

Author:らんぷ店主
アジアのお母さんの味に東洋医学のエスプリを混ぜた、アジア薬膳料理屋を奈良きたまちの古民家で展開。
「あじあの薬膳おばんざい 藍布(らんぷ)」
火曜・水曜定休
奈良市法蓮町1232
℡ 0742-27-1027

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