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2011-05-23

中医学と韓方と漢方

アジアごはんのレシピや旅ばなしから横道にそれますが…


少し前に、韓国の小説「ホジュン」を読みました。
今、日本でも放映されているそうですが、数年前に韓国で連続ドラマ化され、最高視聴率60%を取ったというその原作です。
もともと「ホジュン」と言うのは李氏朝鮮時代に実在したお医者さんのことで、低い身分の生まれながらその才能と実力で宮中医となり、韓国初の医学書「東医宝鑑」を編纂したひとなのだそうです。

テレビの方(65話あるらしい…)も恐らく相当にドラマティックなのでしょうが、小説それ自体も、個性の強いキャラクター満載、至るところに話のヤマ場が仕掛けてあって飽きさせず、500ページ前後ある文庫本計3冊をあっという間に読みきってしまいました。
というか、読み出したら止められない困ったタイプの本でした。

らんぷ店主は韓国における東洋医学に、漢方を齧っている身として興味があったのがきっかけですが、そうでないひとも、またらんぷ店主同様、韓国の歴史に疎いひとでも、問題なく楽しめます。
敢えて言うなら、歴史ファンタジーです。

つまり、史実に沿っているかと言う点、実際の東洋医学的に見てどうかと言う点は…そゆこと追求するのはするだけ野暮、ということなんですが(笑)。

いや、でも、当時の朝鮮半島の階級社会っぷりや、「医者」「病気」を巡る状況や、韓国(李氏朝鮮)と中国(明)との関係なんかがイメージとして掴めて、かなり面白かったです。

ホジュンさんは「医は仁術なり」を体現化したようなお医者さんなんで、貧しい患者に対し高価な生薬ではなく、手に入りやすい身近な食べ物などで代用する方法を教えるあたり、あじあの薬膳おばんざいにも通じるところがあるかなあ、と思ったりもしました。

読んでいて思い出したのですが、そのテレビドラマが韓国で放映された頃、劇中で当時猛威を振るった疫病に梅の実の汁が効いた、というエピソードが出てきてそれが元でかの国では一時、梅ジュースが大人気を博したとか…、そんな話を数年前、まだ谷町の藍布をやっていた頃に聞いたことがありました。

「ホジュン」の原題は「小説・東医宝鑑」です。
医学書としての「東医宝鑑」は日本でも昔から何度か翻訳出版されているらしく、いつかどこかで見てみたいものだと思っていたら、らんぷ店主が通っていた漢方の学校で使っていたテキストをぱらぱら眺めているときに、巻末の参考文献一覧の中に発見して、ちょっと感動しました(笑)。

韓国・ソウルには「京東薬令市場(キョンドンヤクリョンシジャン)」という生薬・漢方薬専門の市場があり、地下鉄でお手軽にいけます。
地下鉄の階段上がって地上に出ると、そこはかとなく生薬の入り混じったニオイがぷわわわ~~んと漂ってきます。
例えて言うなら大阪の「鶴橋」の駅の改札出た途端、いや近鉄線なら電車のドア開いてホームに降りた途端、焼肉の匂いが漂うのに似ていると申せましょうか。

前にも行ったことはあるのですが、そのときはよく判らなくてナツメや菊花、クコぐらいしか手が出ませんでした。
次に行ったら通い詰めるのになあ。
などと在日コリアンの友人に言ったら「らんぷさんにはその市場が「萌え~」な場所なんですね。けどそんなんでソウル行くひと他にいてません。」ときっぱり言われました。

ところで「漢方」「漢方薬」というのは完全に日本語です。
中国だと「中医学」「中国伝統医学」になります。
長いお付き合いの中で中国大陸から日本に入ってきて国内でまた独自の発展を遂げた日本の伝統医学が「漢方」で、コレは江戸時代に西洋医学が「蘭学」「蘭方」として入ってきたのに対し称するようになった言葉だそうです。
いわゆる漢方薬は中国に行くと「中薬」、韓国では「韓薬」というようです。




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プロフィール

らんぷ店主

Author:らんぷ店主
アジアのお母さんの味に東洋医学のエスプリを混ぜた、アジア薬膳料理屋を奈良きたまちの古民家で展開。
「あじあの薬膳おばんざい 藍布(らんぷ)」
火曜・水曜定休
奈良市法蓮町1232
℡ 0742-27-1027

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