2012-05-18

八角と五香粉

1月のお食事会にご参加下さった方が台湾にご旅行されたそうで、現地で購入した八角と五香粉の使い方についてお問い合わせををいただきました。

そう言えばこれらのスパイス、最近ではデパートやちょっとしたスーパーなら置いていることも多く、アジアのスパイスの中ではかなりメジャーな方ですが、改めて何に使うか、というと、そこまで日本の台所に溶け込んでいるものでもありませんね。
1度か二度、中華料理の本を見て何か作ってそれきり調味料棚の片隅に…ということも、あるのかもしれません。
ま、かく言うらんぷ店主もアジアのあちこちで勢いに任せて買ってきたスパイスやら調味料やら、最近では生薬やらもこぞって使われるのを待ってる状態で(汗)、いや~、アレもコレも使ってあんな料理こんな料理作りたいねんけど、なかなか…、と自分で自分に言い訳している昨今。

ま、せっかくご質問いただいたんで、まずは八角行きましょか。
英語でstar aniseとも言われるとおり、種の入った茶色い鞘が8つ放射状に並んでるスパイス、写真ではよく目にしますよね。
漢方的にはお腹を温め、消化機能を改善する働きがあるとされます。
独特なシャープな香りは肉類と相性がよく、中国の紅焼肉(ホンシャオロウ)には欠かせません。

で、無難かつもっともお手軽な使い方としては、いつもの肉じゃがを煮込むときに少し入れてみる。
豚の角煮も、いいですね。
ポイントは醤油(+砂糖)味の肉の煮込みに、まずは少量入れてみることです。
肉300グラムとかだったら、キレイに形の揃っている八角1個なら多いかもしれないので、割れて1~2片になったのがあれば、それ使ってください。
それで物足りなければ、足せばいいですから。
でも、「八角入れすぎた」場合の対処方法は…他の材料全てを増やすしかないです(笑)。
で、香りが個性的なだけに入れすぎは漢方薬局に迷い込んだような仕上がりになりかねません。
八角自体は食べられないので、盛り分けるときには除けて下さいね。
あー、書いてて思ったけど、西洋料理のローリエ(月桂樹の葉っぱ)と似たような扱いですかね。

お次、五香粉。ウーシャンフェンと言います。
これは八角に桂皮・丁香・花椒など合計5つのスパイスミックスパウダーです。
構成する5種のスパイスは地方、或いはメーカーによって多少違ったりするのですが、八角・桂皮・丁香あたりは共通してるかな。
八角だけよりも、少し甘みと奥行きのある香りです。
やっぱりこれも肉じゃが系ですね。
藍布では、「中国風の肉じゃが」「タイ風豚の角煮」「台湾式そぼろ丼」などなどに使っていました。
タイの角煮も台湾そぼろも確か以前に(だーーーいぶ前ですが)ブログ記事に書いたので、探してみて下さい(←手抜き管理人)。

シンガポール名物に「肉骨茶(バクテー)」という骨付き肉と言うより肉少しついた骨の薬膳煮込みスープとも言うべきものがあって、本式にはジオウとかセンキュウとか、ばりばり補気補血な生薬を入れて作るんですが、この五香粉を入れるお手軽レシピもあります。
らんぷ店主も昔、漢方の知識が全然無いころに五香粉と香味野菜でバクテー作っていました。
味だけで言えばこれで充分美味しくできますし、マニアックな生薬でないにしろ、五香粉を構成するスパイスもみな、健脾作用の期待できるものです。

この五香粉も最初は小さじ1とか1/2とか、少量から試してみてくださいね。
慣れてくると、パウダー状なだけに使い勝手がよく、鶏の唐揚げの下味に使ったり、ギョーザの種に隠し味的に使ったりと幅が広がります。
中国では五香粉味の炒り豆とか、豆腐干(豆腐を押して作った半生の高野豆腐みたいなもの)があるぐらい、ポピュラーな味です。

最近はネットで何でも検索できて便利ですが、料理の検索って料理名そのものが判っている場合はいいんですが、「八角を使いたい」「ナンプラーを使いたい」という調味料検索はヒットしにくいかもしれませんね。
らんぷ店主は根っからアナログ人種ということもありまして、基本的にはまず紙の書物に当たります。
遠回りのようだけど、例えば八角なら中国及び中華圏の料理について書かれた本、ナンプラーやニョクマムならタイ料理、ヴェトナム料理の本、といった具合に。
そうやって数を当たっていくうちに、八角なら肉の煮込み、それも砂糖醤油味系と相性がいいとか、オイスターソースは魚介なら全般OK、でも肉なら豚より牛の方が向いてるとか、傾向が掴めてきます。
で、最近はアジアの調味料をテーマにした料理本や雑誌の特集なんてのもあったりして、意外と使えます。
大阪市立中央図書館の料理コーナーは侮れません(笑)。









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2011-10-27

コージ君・マイラブ

コージ君。
いつの間にからんぷ店主の家に住み込んで料理の手伝いをしてくれる頼もしい奴。
犬猫ペット鉢植えじゃありません。
でもちゃんと生きています。

フルネームは、Shio Koji。
いつもいるのは冷蔵庫の中。

はい、塩麹です。
最近は色んな料理の雑誌や番組などでも取上げられているらしく、ついにはスーパーなどで瓶詰商品になっているコージ君もみかけました。

らんぷ店主んちのコージ君は、天満市場の味噌屋さんで買ってきた麹に塩を10対3の割合で混ぜ、水を適量注いでよく混ぜ、常温で何日間か醗酵させます。
時々上下をかき混ぜます。
気温によって大きく変わりますが、夏場なら1週間足らず、今なら10日間前後で最初のかなりアルデンテな状態→柔らかめのお粥みたいになったら頼れるコージ君の出来上がり。
寝室を冷蔵庫に変えて貰います。

野菜でも魚でも肉でも、簡単に美味しくしてくれます。

例えば前の記事「補血の薬膳ランチ」のカブの塩麹漬け。
いちょう切りにしたカブに千切りショウガ少々、塩麹を適宜加えて満遍なく和え、しんなりしてきたらビニール袋に入れてぎゅうっと空気を抜き、口を閉じて冷蔵庫に入れます。
1~2日したら、あっさりしてほんのり麹の甘味のある自家製漬物の出来上がり♪
春には春キャベツ、夏~初秋には、ナスを使った麹漬けを実に良く作りました。
にんじんで作ってサラダ感覚で食べるのもいけますよ。
割合はかなりアバウトですが、例えばナスならナス2本に塩麹大さじ2ぐらい、かな。
これだと、ゴハンに乗せても、ゴハン無しで酒の肴としてもいけるぐらいの味です。
しっかり味にして白ゴハンの友にしたいなら、コージ君多めで、サラダ風にたっぷり食べらいなら少なめで。

魚の塩麹漬けもほんとおススメです。
魚の切り身に塩麹を満遍なく塗りつけてラップし、半日、冷蔵庫に置いてから、麹を落とさずにホイルに乗せてグリルで焼きます(表面が焦げないように調節して)。
味噌漬けより手軽です。
らんぷ店主はサバでよく作ります。

ものの本によると、麹菌が分泌する酵素(100種類近くもある)が食べ物のでんぷんやたんぱく質を分解することにより、より消化吸収しやすい形に変えるだけでなく特有の旨みも生まれる、ということで。
コージ君、いい仕事してくれるねえ。

因みに天満市場では「糀(こうじ)」という字を使っていました。
この字もなんだかいいですね。

米は、気を補う代表的な食べ物です。
昔は「氣」と書いてたぐらいなんですから!
でも簡略化されて日本ではバツジルシでしょ?!
中国(の簡略字体)なんか、中にバツも無いんですよ、空っぽなんです!

…と薬膳の講師(中国出身の医師)がよく講義中にのたまっておられました。

コージ君には縁が無いと思ってるひとも、味噌やみりんや酢や日本酒という形で、知らずにお馴染みになっているはず。
あ、最近めっきりメジャーになってきたの韓国の「マッコリ」なんかもそうですね。

そうそうマッコリといえば酒税法の違いの関係で、韓国に行くと居酒屋さんの自家製のマッコリが呑めるんですよね。
店によって味が違って、評判のお店のマッコリなんか本当に、味に深みがありながらかつさらりと後口軽くて、うんま~~い!んです。
あー、あれまた呑みたいなああ…。

すっかりコージ君そっちのけで酒の話になってしまったので、今回この辺で。













2009-11-04

人生色々、唐辛子色々

昨日、エスニック料理好きの友人から「カンボジア風のカレーを作ってみたが、レシピにチリパウダーとあったのを、手元にあるカイエンペッパーで代用したらドエライことになった」旨の、想像しただけで舌がヒリヒリしそうな激辛いメールが飛び込んできました。

「唐辛子」と日本語では一口に言うけれど、その唐辛子を料理に多用する国々では、唐辛子自体の種類も非常に豊富である場合が多いです。
辛さの度合いは勿論、甘み、香り、旨みなどなど。
それを料理によって使い分けているんですね。

で、カイエンペッパーというのは、辛さの度合いでいうなら横綱級、カースト制度の頂上に君臨する僧侶(って、ヒンドゥーの坊さんは、そんな煩悩を打ち抜くようなカライもん、食べないでしょーけど)の如しです(と、らんぷ店主は思っている)。
藍布では当然、いろんな種類のスパイスを業務用にキロ単位で仕入れていましたが、カイエンペッパーは一度に使う量が他のスパイスと比べて圧倒的に少なく、注文量も常に控えめでした。

一方で、韓国料理に一般的に使われる粉唐辛子「コチュカル」は、ほんのりパプリカにも似た甘い香りもあり、辛さも比較的穏やかなので、大さじ使って大胆に鍋に入れて、見た目真っ赤っ赤~になっても、丁度良いぐらいだったりします。

あと、冒頭の友人の書いていた「チリパウダー」は、ちょっと定義が曖昧で、チリ即ち唐辛子のパウダー状のものを指すこともあるけれど、料理の本に書いてある場合は、チリにクローブやオレガノなど数種の他のスパイスを配合したものを指す場合も結構多いのです。
日本で言う一味と七味唐辛子の違いに似ているでしょうか。

今回のレシピがどちらかは実際見てみないと判らないのですが、いずれにしろ辛さとしては穏やかな系統の唐辛子だったのじゃないかと思います(もともとカンボジア料理って、タイ料理に比べると穏やかな味のものが多いようですし)。

唐辛子に関しては、確か吉田よし子さんという香辛料のエキスパートが、昔の失敗談として、今のようにアジアの料理が身近でなかった頃に家でキムチ作りに挑戦したとき、レシピどおりに唐辛子の粉を入れていったら、全然赤くならずキムチらしくならないのに、辛くて食べられないぐらいになったことがあり、それは唐辛子の種類が違うと知らずに日本のタカノツメで代用していたためと本に書いておられました。

辛さの許容量というものは個人差があり、また慣れることもあるのですが、普段食べなれない人、胃腸の丈夫でない人があまりに辛いものを食べてしまうと、口の中が火事になるだけでなく、胃腸に来て、翌朝トイレでも……、てなことになりかねないので、皆様充分にお気をつけあそばしてくださいませ。







2009-08-21

作っておくと便利、ガーリックオイル

さて大量に作ったニンニクみじん切り。
冷凍保存のほかに、もう一つ便利な保存法が、中国やタイの家庭で用いられているガーリックオイル。
これがあると、料理の仕上げにひとさじ入れるだけで旨みがぐーんとアップします。

深鍋にたっぷりめのサラダオイルとニンニクみじん切り山盛りを入れ、フタをせずにゆっくり温めていきます。
ニンニクからじぶじぶと泡が出てきたら、焦がさないように気をつけて、弱火で加熱を続け、ニンニクの水分がある程度飛んだかなあ、というところで火を止めます(余熱でニンニクが色づいてくるので、火を止めるときはまだ白っぽくてOK。あっという間に焦げますから注意)。
そのまま冷まして、空き瓶などに入れ、冷蔵庫に保存。
カレーやシチュー、ラーメンの仕上げに小さじ1杯加えてみてください。

ニンニクって思いのほか殺菌作用があって、食中毒防止にも一役買ってるんだとか。
それだけ「強い」ので、一度に沢山みじん切りするときには、肌の弱い人は手荒れに気をつけて下さい。
切ってる最中に指先がピリピリすることもあるので、そういうときにはフィンガーボウル用意して(茶碗に水入れたらいいんですが)、時々指先を水ですすぎながら作業するとヨイです。
切りかけのまま包丁を放っておくと、サビが浮いてきたりもしますんで。

次は、このガーリックオイルで作るタイの豆腐スープでも紹介しましょうか。




2009-08-19

ニンニクを使おう

ニンニクを料理に使うときって、丸ごとそのままって少ないですよね。
薄くライスしたり、千切り、みじん切り、或いはおろして。
大抵一度に使う分て、ヒトカケ、ってことが多いけど、この「ニンニク一片分のみじん切り」なんて、いちいち用意するの、面倒なんですよ(←なんか、「メンドクサイ」ばっかり言ってるらんぷ店主ですが、実はコレ大事。だって、一度「メンドクサイ」って思っちゃったら、仕事でもない限り料理する気なくなるでしょ?メンドクサクなく、かつ、体とココロに美味しいものを、というのがこのブログのコンセプト。って、なんか長くなっちゃいましたが)。
包丁もまな板もその都度しっかり洗って「ん?ニオイ落ちたかな?」って確認しなきゃいけないし、使いかけの、まだ薄皮付きのニンニク残りも、冷蔵庫の端っこですぐしなびちゃうし。
で、さすが韓国人なら誰でも(と言っていいくらいだった、私の周りでは)知っているオモニの知恵を拝借。
あちらでは、一般家庭であっても業務用か?ってぐらい大量のニンニクを一度に買ってきて、大量のみじん切りを一気に作って(専用のスライサーも家庭用のが売られているとか)、それをビニール袋に入れ、薄ーいシート状にして、冷凍庫で凍らせちゃう(バットの上でビニール袋に入れてならし、バットごと冷凍庫に入れちゃうといいです。ジッパー付きの冷凍用バックなんかじゃなくても、薄っぺらい、フツーのビニール袋で充分)。
そうして、要るとき、要る分だけ、板チョコレートのようにパキッと折って使うんです。
油ひいたフライパンに入れたら、すぐ解凍するしね。
藍布で働いてくれていたスタッフの何人かがこのワザを覚え「我が家でのニンニク使用量が増えましたよ。」と。
ウラ話ついでに、店では、ニンニクに更に同量のショウガのみじん切りをあわせたものを常備して、炒め物、ヤキメシ、その他に使い回すので、ストックが欠かせないのですね。
らんぷ店主が厨房のまな板の上にショウガとニンニクをゴロゴロっと出しておいたら、勝手知ったるスタッフなどは「あ、次(の仕込み)はニンニクショウガ(のみじん切り作業)ですか?」と先読みしてくれたりして。

じゃあこのニンニクみじん切りを使って、香港やベトナム、マレーシア辺りでもっともポピュラーなお惣菜を、次に。



プロフィール

らんぷ店主

Author:らんぷ店主
アジアのお母さんの味に東洋医学のエスプリを混ぜた、アジア薬膳料理屋を奈良きたまちの古民家で展開。
「あじあの薬膳おばんざい 藍布(らんぷ)」
火曜・水曜定休
奈良市法蓮町1232
℡ 0742-27-1027

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