2014-11-15

即席粕汁

つめたーい木枯らし吹く日、遅くに帰って来て疲れてるし寒いし、
手っ取り早くあったかいもの食べたいときに。

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冬になると食べたくなる、粕汁です。
えーっ、材料揃えて切ったり酒粕とかしたり、面倒くさいじゃん。
と思われるでしょうが。

そこはそれ、即席仕様で。

前に酒粕で作るカルボナーラ風パスタの話を書きましたが、
アレで使った酒粕豆乳です。
なんせ軟らかいペースト状になっているので、煮えばなにポイと放り込んで、
お玉でちょちょちょっと崩したら自然に溶けます。

もう一つの「即席」のコツは、甘口の塩鮭(できればアラの部分)を使うこと。
これでダシ要らず、調味料要らずです。
入れる野菜は2種類程度でオッケー。
冷蔵庫の野菜室に入ってる、葉物でも根菜でも。

今回は、ネギとジャガイモです。
たまたま残ってたんで(^^;
ジャガイモ、皮剥いて2~3ミリ程度の薄い輪切りにしてから、
5ミリ幅ぐらいに切ります。
こうすると、火の通りが断然早い。
ネギはまあ、お好きなように。

鍋に野菜と塩鮭のアラ入れて水をかぶるぐらい入れて蓋して火にかけ、
具材に火が通るまで煮ます。
仕上がりに上記の酒粕豆乳ペースト好みの量入れてさっと溶かし、
味見して薄ければ塩、濃すぎたら水足して調整(アラの場合、汁の味は少し薄めの方が食べたときに丁度いいです)。

器に盛って、鮭の身をほぐしながら汁と一緒に戴きます。
鮭も酒粕も、カラダを温め、かつ、カラダ自身が温まる力を作り出すのに役立つ補気補陽の食材。
ジャガイモは補気、ネギもやっぱり温め食材ですね。
鮭とジャガイモってなんだか北海道だなあ。
札幌はもう積雪してるそうです。そんな最果ての地で、しっかり暖を取る食材ですね。
日本版ホワイトシチュウな外観ですが、勿論、乳製品は入ってないので、食べた後のお腹はほこほこあったかいけど、軽い感じ。

酒粕豆乳ペーストは日持ちするので、作り置いてこれからの季節、色々に使ってみて下さい。










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2012-07-01

半夏とタコ

半夏生(ハンゲショウ)という言葉をこのところ何回か天気予報で耳にしました。
ちょっと気になったので調べてみたら、夏至から数えて11日目(7月1日か2日ごろ)から七夕ぐらいまでの時期を言い、このころまでに田植えを終えておけとか、この時期に地方によってタコを食べたりサバを食べたりうどんや小麦で作った餅を食べたりする風習があるとか。

何が気になったかと言うと「半夏(ハンゲ)」です。
これ、生薬としてはポピュラーなもので、体の中の水はけを良くする、澱んでいる余計な水分を捌いてめまいや胃腸障害を改善したり、カラダだけでなく気分が重だるいのにも働きかけるものです。
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)とか抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ…呪文みたいですね:笑)とか、漢方薬の名前にもなっています。

昔は農作業の傍ら、この半夏の根を取ってきて薬問屋に売っていたとかで、大事な副収入のひとつだったのかもしれません。

まあ、漢方薬飲むか勉強するかしない限りこの半夏にお目にかかることはないのですが、タコとかうどんとか「半夏生に食べるもの」と言う言い伝えは面白いな、と。

小麦って薬膳では夏の養生に適した食べ物なのですね。
だからうどんとか、小麦の餅なんてまさに夏の薬膳メニュウそのものなのです。

タコはと言うと漢方の世界ではイカほどポピュラーではないのですが、性質としては平~涼(つまり、どちらかと言うと熱を冷ます)、気と血を補い産後の母乳不足や体力快復に良いとされます。

利尿効果のあるきゅうりと酢のものにした「タコキュウ」なんてまさに日本の夏にピッタリですが、「土用の丑は鰻」みたいに「半夏生の今夜はタコキュウ」といってもそれだけじゃ困るんで、なにかないかなあ、タコ。

メインディッシュとして思いつくのは韓国の「ナクチポックム」タコの辛ーーい炒め物です。
メインていうか、韓国人ならソジュ(焼酎)のアテにするんでしょうが。
現地でもかなり「辛いものメニュウ」のランキング上位に上がるものです。

中国やタイヤヴェトナムだと…、ほんと、イカの炒め物やサラダ(和え物)って沢山あるんだけど、タコ、あんまり思いつかないですね。

せっかくなので、ぼちぼち調べてみます。
が、それでは今日明日あたりの献立には間に合わない。
メインは張れないかもしれないけど、週末の晩ご飯にサクッと作ってテーブルに出せる一皿、思いつきでひとつ。
茹でダコ、キュウリを1㎝角に切り、これも旬のトウモロコシを茹でて実をこそげ取り、お好きなドレッシングで和えて、レタス敷いた大皿にこんもり盛ってください。
コロコロして彩りも華やかで、梅雨の最中の食卓にちょっと晴れ間が射すかも。

ドレッシングは勿論、お好みですが、例えば

1)藍布ゴハンの定番:スイートチリソースベースにナンプラーとレモン果汁をプラスして
2)ビールのアテにしたい方は:カレー粉+マヨネーズ+黒胡椒きかせて
3)特にアジア風じゃなくて良いのでシンプルに:オリーブオイル+酢+塩コショウ
4)庭やベランダでハーブを育ててるご家庭なら(3)に青じそやバジルのみじん切りを加えると尚良し。

このタコを食べる風習は主に関西のものなのだそうですが、これは大阪人のタコ焼き好きと何か関係があるのでしょうか、とふと思うらんぷ店主でした。
タコ焼きもいちおう素材的には「夏の養生にピッタリ」ですけどね…。








2012-01-15

カキのシチュウ・アジアンスタイル

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カキ。果物の方じゃなくてオイスターの方ね、なんて口頭ではつけたし説明しますが、牡蠣です。
英語圏ではRのつく月が旬とも言われますね。
この「牡蠣」を「ボレイ」と読むと生薬です。
正確には牡蠣の貝殻を原料にしたものですが、不眠や不安感などのメンタルヘルスケア方面に使われることが多いです。
そして身のほうにも勿論、心の血を補う、精神安定作用があるとされます。
面白いことに、西洋栄養学でもカキにたっぷり含まれる亜鉛が脳の健康に大変良いという研究結果が出たりしているそうです。

魚屋さんの店頭でお買い得になっていたカキひとパックを買ってきて、さて何にしようと思ったのですが、やはり簡単に出来てからだの温まるもの、ということで汁物。
キッチンの在庫品は豚のコマギレ肉少々、野菜は大根とにんじん。
シチュウと言っても牛乳も豆乳も生クリームもないし、そうだ、ベトナムのポトフをベースにしたら簡単。

と言う感じで、行き当たりばったりに作ってみました。

肉は適当に切り(元々、コマギレなんで)、鍋に入れる。
にんにく1~2かけも潰して鍋に。
にんじん小さ目のサイコロ、大根は大きめのサイコロにして鍋に。
ひたひたに水を注いでフタして点火。
沸騰してきたら火を弱めてコトコト。
程よく野菜に火が通ったら調味。
今回は冷蔵庫に少し残っていた塩麹大さじ1強、塩少々。
塩水で洗ったカキを最後に入れ、火を通して出来上がり。

時間をかけて煮込む必要の無い材料ばかりなので、わりと短時間で出来ます。
むしろあんまりグツグツ煮込まないほうがいい。
塩麹を入れると味に奥行きが出ますが、もし無くても豚肉とカキ、それに野菜の甘みで充分美味しいダシが出るはず。
塩の代わりにナンプラー(もしくは塩と併用)使っても、同じく海のものですから相性はバッチリ。

そう言えばカキを主原料としたオイスターソースって広東の料理に欠かせないんですが、香港の海鮮乾物市場なんかに行くと、干したカキが山積みになってるのを見かけます。
見た目はまんまカキのミイラ。
メイン食材としてではなく、スープとかに使うそうですが、如何にもいいダシ出そう…。







2011-12-08

鮭のおかしらコチュジャン煮

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唐突で恐縮ですが、モンゴル人て一般に魚が苦手、だそうです。
そりゃ大平原の遊牧民族なんだから魚なんてめったに食べないよね、というレヴェルでなく、「魚の姿、特に目が怖い」のだそうです。
谷町の藍布の壁に流れるような美しいモンゴル文字で草原の民の唄の歌詞を書いてくれた内モンゴルからの留学生青年は、来日当初、京都の昔ながらの商店街の中を通るとき、店頭に尾頭付きの魚が並ぶ魚屋さんの前では眼をつぶって顔を背けて足早に通り過ぎていたのだそうです。
「魚と目が合うのが、怖くて。」と。

ま、日本人もヨーロッパや或いは中国なんかで豚の頭が鎮座している肉屋さんの前ではちょっとびっくりしたりするものでしょうから、お互いひとのことは言えません。

でもたぶん、韓国・朝鮮半島のひとならどっちも平気。
どころか、普通に「美味しそう」と感じるのでしょうね。
ヨーロッパ人並みに肉食で、日本人に劣らず魚の食べ方・料理の仕方が上手いのが彼らだと思います。

写真は、ノルウェー・サーモンのアタマ。
サーモンステーキ用の切り身は結構なお値段ですが、アタマの方はお買い得商品。
ヴィタミンが豊富なお肌(←皮ね)、眼の周りや頬の肉もホロリ、プルルンとして美味しいだけでなく、コラーゲンや質のいい魚油が豊富に含まれています。
軟骨部分も豚や鶏肉より短時間の煮込みですむし、ますますもってお買い得。

サケという魚自体がしっかりした味のする魚ですが、こういうアラの部分は更にコクがあるので、味付けもそれなりに主張のあるものにしないと味がボケます。
味噌を使う石狩鍋なんかもうまく考えられてますよね。

で、今回は味噌と韓国のコチュジャンをベースにし、ショウガと葱をこっくりした味付けのアクセントに加えて韓国の「モリチム(魚の頭の煮込み)」風にしてみました。
少し味に丸みをつけようと思いついて塩麹をひとさじ加えてみたら、これがかなりオツな仕上がりに。

作り方は…、アウトドアでも出来そうなぐらい、よく言えばワイルド、はっきり言ってアバウト。

魚の頭がすっぽり入る鍋に千切りショウガとぶつ切りの青葱を敷き、魚を乗せ、その上にコチュジャンと味噌(韓国のテンジャンという味噌があれば勿論よいけど、いつも使っている普通の味噌でOK)をテキトウに乗せ、水を少々(底に敷いたショウガと葱が漬かるぐらい)と酒をちょっと振って、フタしていきなり煮込みます。
沸騰してきたら火を弱め、底が焦げないように時々鍋をぐるっと動かして煮汁を魚にかけます。魚にある程度火が通ってきたら上に乗せた味噌などを煮汁に溶かし、塩麹もこのとき加えます。
弱火で少し煮て、出来上がり。

コチュジャン→辛味、味噌→塩味、塩麹→甘味
が味の主な担当です。
が、どれも発酵食品ゆえのコクと深みがあります。

油を使わない煮込みですが、ある意味コッテコテな料理かも。
写真では真っ赤な煮汁が皿の窪みに隠れちゃってますが、この残った汁にご飯と溶き卵入れてクッパ(雑炊)にしたら、これまたマシッソヨ~♪


漢方的なお話をすると、「以類補類」といって、体調の悪いところは動物の同じ部位で補う、と言う考え方があります。
ある種の頭痛やめまいには、魚の頭の煮込みが薬膳として宜しい、ということです。
西洋の医学や栄養学の見地から書いたものに、魚の油は脳の神経細胞の膜を柔軟にし、その性能を高める(魚を食べるとアタマが良くなる、という説はこの辺からきているのかも)とか、魚油に含まれるオメガ3は、天然の抗うつ剤、というような表記があったりするのですが、東洋と西洋、アプローチの仕方は違えど似たことを言っているのかなと思います。






2011-11-29

簡単!ブリキムチ

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らんぷ店主が今、出稼ぎに行っているのは魚がウリの和食メインのお店です。
お蔭様で、実は今までちょっと億劫だった魚介の料理がより身近なものになりました。
藍布でも、韓国風のサバ煮込みや、魚を使ったココナツカレーなどお出ししていたのですが、魚の煮込みは作り置きにあまり向かないのですね。
鶏手羽のスープや豚ばら肉の煮込みなどは、鍋にたっぷり作って次の日もまたおいしい、と言うことが可能ですが、煮魚ってその日のうちに食べきって、ニオイのついた鍋も洗っちゃいたいじゃないですか。
だから、一人や二人の料理だと、今食べる分だけ焼くのが一番。
天満市場には魚屋さんが何軒もあって、その日捌いたイキの良い…ここは広東語でサーンマーン(生猛:食材が新鮮なさま)と言ってみたい…魚介が並んでいます。
きれいに並んだお造り用・立派な切り身の横に、カマだけまとめたもの・切り身の端っこだけ集めたものをお得価格でパック詰めしたものが置いてあることも多い。
今回はその端っこブリを使ってみました。
写真じゃ判りにくいけど、手前が白菜キムチ、奥のほうに覗いているのがブリです。
いつもの塩焼きもシンプルで飽きないけど、ちょっと違う味付けでパンチの効いたものを、でも面倒な手間はかけたくないときに。

アルミホイルの上に、軽めに塩を振ったブリの切り身を乗せ、グリルで両面焼きます。
おウチのコンロに魚焼き用グリルがついていない、焼き網もないなら、トースターで焼くというテもあります。
9分どおり焼けたら、白菜キムチを漬け汁ごと、好みの量ブリの上にのっけて、キムチが焦げないようにちょっとだけ焼いたら、出来上がり。
魚の旨みとキムチの旨みの混ざった汁が調味の主役なので、こぼさないようにアルミホイルごと、お皿に移してください。
キムチは食べちゃって、漬け汁だけ容器の底に残ってる、なんていうのでも勿論OKです。
むしろそういうちょっと酸味の強い醗酵の進んだキムチ(汁)の方が、加熱すると旨みが増します。

豚キムチならぬ・ブリ大根ならぬ「ブリキムチ」。
洗い物も少なくてすむし、いいですよ~♪





プロフィール

らんぷ店主

Author:らんぷ店主
アジアのお母さんの味に東洋医学のエスプリを混ぜた、アジア薬膳料理屋を奈良きたまちの古民家で展開。
「あじあの薬膳おばんざい 藍布(らんぷ)」
火曜・水曜定休
奈良市法蓮町1232
℡ 0742-27-1027

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